「保育園落ちた日本死ね!!!」について先日記事も書いたのですが、国会の答弁で安倍首相が「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」と発言してくれたものだから、さらに炎上。
保育園に落ちたママたちの静かな抗議が始まっています。
もちろん待機児童問題は大きなことです。
でも、個人的にはその裏にはもっと深い闇が潜んでいる気がしてなりません。
実際に起こっているか確認できないらしいので
3月4日の夕方、国会前で保育園に落ちた親たちによる静かな抗議が行われました。
匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」について、安倍首相が「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」などと発言したり、国会議員から「誰が書いたんだよ」などのヤジが飛んだことに対し、国会前で抗議する人が出てきた。あるTwitterユーザーが「プラカードを持って国会前に立てばどうか」と呼びかけ、3月4日夕方、賛同する人が集まった。
「 #保育園落ちたの私だ 」 国会前でスタンディングする人が現れる「ここにいる」(Huffington Post)
そもそも自分の無能振りを露呈しちゃってますが。
安倍さんは「本当かどうか確認しようがない」って、「それくらいも調べる能力もないっていうかそんなめんどくさいことやりたくねー」ってことを公言しちゃってるんですよね。
国会答弁の前後で確かTBSがこの匿名はてなブログを書いた人に取材してましたし。
本気になればいくらでも書き込んだ人物を特定することは可能なはずです。
そもそも安倍さんは子育て界隈に興味もやる気もないのはわかっているのですが、女性が輝くとか言うなら「働け納税しろ」の前に環境を整えなきゃ不可能なこともわからないのは、なんというかおめでたいなぁと。
(もちろん、分かっていてやる気がないことも知ってますが)
やっぱりどうしても現役世代の投票率の話になるわけで
今回の高齢者向けバラマキにしたって、その分を保育士の待遇改善にも保育園創設にもまわせばいくらかはこの問題がマシになるのが分かっていても、選挙に行くのは高齢者ばかりだから高齢者にばら撒いたほうが票がとれちゃうんですよね。
そりゃ、高齢者にヘラヘラしたくなるのも分かります。
なにしろ人事権を握っている会社の幹部みたいなもんですからね。
だから風向きを変えたければ、現役パパママ世代がきっちりと選挙に行くしかありません。
ジジババ世代に期待しても、保育園より目先の特別養護老人ホーム立ててくれって思うのは当然のことなので。
みんな世代によっても環境によっても求めるものが違うので、自分の意見は最低限選挙に行かなければアピールのしようもありません。
投票率が高齢世代と逆転したら、あっという間に現役に手厚い政府に変わります。間違いなく。
待機児童問題を解決するための個人的な意見をぶっちゃけ
……と色々書いてきたのですが、正直なところ必要な分だけ保育を確保するというのは、いたちごっこの面があると思います。
数年前、ある自治体が待機児童0を実現しました。
が、翌年は待機児童が大量にあふれました。
なぜか分かりますか?
「あそこの自治体は待機児童が0だから」という理由で、たくさんの子育て世帯が引っ越したからです。
いくら地方自治体が努力しても、待機児童が流れ込んでくるのですからキリがありません。
そもそもどれだけのママが本当に0歳児を預けたいのか?
でもちょっと立ち止まって考えてください。
今までいろんな境遇のママ達に話を聞いてきたのですが、「どうしても0歳児から預けて働きたい」というママは少数派です。
1歳児クラスから預けようとすると激戦になってしまうので、さみしいけど0歳児から預けるなんてママもかなりいるのです。
まだあんよもしない赤ちゃんを、手放して保育園に預けたいという願望のママってどれだけいるでしょうか?
「育休がもう少し長くとれれば…」
「1歳児から保育園が確約されていれば…」
「家計にもう少し余裕があれば…」
「会社の復帰後のポジションが約束されていれば…」
状況さえ許せば0歳児の間は手元で育てたいというママは、現在保育園に預けているママ達の少なめに見積もっても半数以上だと思います。
だって、初めてのわが子のたっち、あんよ、ハイハイの瞬間すら、自分より先に保育士さんが見てしまうんですよ?
以前保育士さんと飲みに行ったとき、「初めてのあんよを見ちゃったときは、ママには内緒なんです。見なかったことにしてるんですよ」と言っていました。
ママにとっても、赤ちゃんにとっても切ない話だな……と思ったのを覚えています。
0歳児の保育にかかるのはおよそ41万円
0歳児一人あたり、すべての経費を含めて計算するとおよそ41万円が一ヶ月に使われています。
このうち保育料として支払われるのは2万円。
残りはすべて税金でまかなわれています。
園児1人にかかる費用 0歳児は411,324円
参考:「保育園児1人にかかる費用と保護者の平均保育料(月額)(平成26年度決算数値より)-板橋区」
これが1歳児になると207,158円(上記板橋区の平成26年度決算数値より)と半分になります。
なぜかというと、国の配置基準で概ね0歳児3人に保育士1人、1~2歳児は概ね6人に保育士1人と決められているからです。
つまり0歳児の枠を1人減らすことで、1歳児の枠は2人増える
かかる費用が1歳児の倍額の0歳児。必要な保育士の数も2倍です。
0歳児の枠を一人減らせば、1歳児二人分の予算と保育士さんが生まれるのです。
これと、先ほどの0歳児を泣く泣く預けざるを得ないママたちの現状を合わせてみると、少なくとも0歳児は家庭で保育できるような日本になってほしいと願わざるを得ません。
そもそも0歳児を保育園にあずけざるをえない日本はおかしい
ママにとっても赤ちゃんにとっても、卒乳もまだの0歳児が保育園に預けられるのは望ましい環境とは思えません。
赤ちゃんを保育園に預けている間、仕事をしながら職場でトイレに駆け込んで、パンパンになってしまった母乳を搾って捨てているなんてママも実際にいます。
……おかしいと思いませんか?
赤ちゃんはほしいときにママに抱っこしてもらっておっぱいをもらい、ママも赤ちゃんと一緒にいれば母乳をぜんぶ飲んでもらえます。
当たり前の生物としての営みですよね。
待機児童問題云々、もちろんとても大切な話題です。
でもそれ以前に、0歳の赤ちゃんがたくさん保育園に預けられている現状がおかしいことに気づいてほしいのです。
せめて一年と少しの間だけ、ママと赤ちゃんが安心して一緒にいられる日本になってほしいと思います。
そうすれば、待機児童問題も案外スムーズに片付くんじゃないかなんて、個人的には少し思っているのです。