当サイトでも、ご紹介してきた漫画「コウノドリ」が、ドラマになってスタートしました。
俳優さんや視聴率などのお話は専門のサイトにおまかせして、ママ目線で感想とマンガシリーズとの関係などをまとめてみます。
ドラマ「コウノドリ」とは
TBS系列 金曜日夜10時から放送中。
鈴ノ木ユウ氏がモーニング連載中の『コウノドリ』(講談社刊)を原作とした、綾野剛主演のドラマです。
漫画版コウノドリについては、こちらのまとめからどうぞ。
ドラマ版「コウノドリ」については、こちらのまとめからどうぞ。
ドラマ「コウノドリ」第一話
10/16、よる10時より放送。初回15分拡大で放映されました。
漫画版「コウノドリ」との関係
今回のメインになった未受診妊婦のストーリーは、漫画版「コウノドリ」1巻に収録されている「受け入れ拒否」のエピソードがメインです。
ただ、この漫画版では助産師の小松さんは登場していませんので、原作の未受診妊婦はもうちょっと平和に出産しています。
臍帯脱出のエピソードは8巻の「研修医(前編)」のものがミックスされています。
漫画版では、別の研修医を下屋先生が怒鳴りつけるという、頼りになる役所でしたが、ドラマでは小松さんにお株を奪われていますね。
ドラマ版「コウノドリ」1話の感想
個人的に、あまり俳優さんとかには詳しくなくて(というか、子どもを産んでこの方、まともに連続ドラマなんてみられた試しがないので…)、俳優さんたちがどういう人たちなのか、今ひとつよく分かっていないのですが、原作ファンとしては、みんなキャラを壊していなくて、安心して見られました。
ちゃんと漫画版「コウノドリ」がそのままドラマになった、という感じです。
鴻鳥先生の髪型まで再現しているのには、びっくりです(笑)
未受診妊婦について
ドラマでは、四宮先生がぽろりと「野良妊婦」と漏らしていましたが、一般的には「野良妊婦」という単語の方がピンとくる人が多いかもしれません。
漫画版「コウノドリ」1巻の感想でも書いたのですが、実際に結構いらっしゃるのです。
私がお会いした方は、なんというか「計画的未受診妊婦」さんだったので、非常にあっけらかんとされていたのですが、実際は情報も無くて、どうしていいか分からないまま未受診になってしまったという人が多いのだと思います。
確かに、国民健康保険も納めることが出来ていない人にとって、役所に行って母子手帳をもらうのって、ものすごくハードルが高いですよね。
そもそも、母子手帳をもらうには、最初に一度自力で産婦人科に受診して、妊娠を確認してもらい、出産予定日を決めてもらう必要があります。
(母子手帳をもらう際に、書類に記入しなくてはなりません)
その最初の受診すら、健康保険を払っていない人には出来ませんよね。
また、妊婦健診のチケットも決して無料になるわけではありません。
妊娠初期の血液検査なんて、2万円くらいは平気でとられます。
最初の時点で、生活保護などを受けられていれば別でしょうが、普通にギリギリのところで生活していた女性が、健診が受けられないというのは、当然のことのように思えます。
日本の福祉は全体的にそうだと思うのですが、「助けを求めてきた人には対応する」けれど、「助けを求めることすら出来ない人は、いないこととして扱う」という姿勢が透けて見えます。
確かに、助けを求められない人に手をさしのべるのは難しいことです。
でも、本当に助けが必要なのは、自力で助けを求める力も、知識も無い人なんですよね。
また、育てることが出来ない場合には、きちんと乳児院を頼ることができる社会になって欲しいです。
赤ちゃんも、きちんとした別の人格です。
親がどういう状況でも、赤ちゃんには幸せになる権利があるのですから。
本当に無理なら、ギブアップして助けを求める権利もママにはありますし、そういうママと赤ちゃんを助けたいと必死になっている人も沢山いるのです。
「~であるべき」という論理に押しつぶされて苦しんでいる母親と赤ちゃんが沢山いることを、ぜひ知って欲しいと思います。
余談だけど納得のいかないこと
今回の未受診妊婦のストーリー、誰が一番悪いと思います?
やっぱ、四宮先生の態度ですよねー……ではないです。
ドラマでは、完全に妊婦が悪くて、更正してこれから頑張ります……ってなっていましたが、一番の悪人が他にいます。
赤ちゃんの父親です。
この父親が、しっかりと妊婦さんを支えていたとしたら、どうなったでしょう。
赤ちゃんの未来も、ママの未来も、もっともっと幸せなものだったはずです。
そもそも、この未受診妊婦さんのお母さんの話もそう。
父親がしっかりしていなかったから、お母さんはストレスを抱えて、それを子どもに向けるしか無かった。
虐待死の事件でも、罪に問われて攻められるのは母親ばかり。
その裏で、父親は一体なにをしていたんでしょう。
子どもは母親一人では作れません。
同じだけの責任を負うはずの父親が、なんの責めも受けずに、のうのうと暮らしているのです。
母親だけを責め立てる世の中の風潮が、なにかがおかしいと感じざるを得ません。
「コウノドリ」の原作コミックを読む、ドラマをオンデマンドで観るには
シーズン1「コウノドリ」(2015)は、こちらで見られます。
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「コウノドリ」の原作に興味を持った方は、電子書籍でも読むことが出来ます。
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